おいしい菜自然菜園

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急冷してはいけないものは

原子炉格納容器

 30年以上前に入手した米国の技術雑誌が出てきた。今朝のM7.4の地震の後、ニュースで福島第1原発女川原発等の点検の状況が報道されていたが、日本のような地震国で安全が保たれるとは到底信じられない。

 その訳は

 

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 この雑誌の中で「ひび割れが突破口になるとき」と題する記事が有り、金属疲労についての最新(1980年代の)の情報が記述されている。

 原発の報道では冷温停止(華氏200度以下)しているとの表現を耳にするが、上の記事では格納容器が緊急冷却装置により華氏200度(摂氏95度付近)以下に急冷されると、金属内のひび割れが急拡大することが指摘されている。(25ページ)

 急に冷やすことにより格納容器が高圧に耐えられなくなるのだ。

 より詳しく書くと、上記の記事では、それ以下の温度で材料が非常に脆くなる「基準温度」(reference temperature)というものが存在し、原発が稼動中に核燃料からの中性子線に曝されている格納容器の金属は「基準温度」が華氏200度以上にもなる(注:華氏200度以下にするとひび割れが急拡大することを意味する)と記述されている。

 すなわち「冷温停止」の状態は「基準温度」以下であり、仮に非常時に急激に冷温停止の温度までもってゆくと爆発するおそれが一気に高まるのだ。

 チェルノブイリ原発事故の場合も制御棒を一気に操作した結果、ポジティブスクラムという状態になったのが事故の原因だといわれている。

 日本は上記の記事が書かれるずっと前に設置された40年以上経過の原発を稼動させようとしている。