おいしい菜自然菜園

外に持ち出さず、菜園内での循環を目指しています

あり難くないものは

畑の蟻

 紅葉の季節になり、蟻とキリギリスのお話がなんとなく頭に浮かぶ。

 ところが、畑の蟻は実際はわると手を組んでいることが多いのだ。例えば

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 畑の畝に植え付けたイチゴの苗をよくみると、葉の茎が出ている中心の部分(クラウンと呼ばれる)に細かな土がまぶされていて、洗い流しても直ぐに元通りになってしまう。

 これは、蟻の仕業で、その中にイチゴの樹液を吸うアブラムシが潜んでいるのを守っていて、蟻はアブラムシから甘い蜜を得ているのだ。

 時代劇に例えれば廻船問屋と手を組んで裏で悪行を行う悪代官といったところだ。

 イチゴに限らず、人参や、春になるとソラマメの茎も同様に蟻の通勤ラッシュのようになるが、これも同様の仕組みだ。

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 それにひきかえ、イソップ物語のキリギリス(本来はセミ)は害虫のように思われるかも知れないが、秋が深まれば居なくなり、蟻のようにしつこくない。(写真はキリギリスそのものではありません)

 尚、余談になるが、イソップ物語は早くから日本に紹介されており、外国の文化がご法度だった江戸時代に為永春水(俳風柳多留の著者)によって幕府の圧力を巧みにかわして出版されていたとのことである。

 その題名は「絵入り教訓近道」というのだそうで、蟻と蝉が不思議な状態で擬人化されているとか。一度実物を見てみたいものだと思う。尚、この情報は前にFMラジオの番組で小川洋子さんが紹介していたのを思い出した。