雨
今年はとても雨が多い。台風も頻繁にやってくる。お月見も過ぎてしまったが、急に「雨降りお月さん雲のかあげ〜」という一節が頭に浮かんできた。...一人で傘(からかさ)さして...傘ないときゃ誰とゆく〜 等と続くのだが、威勢のいい歌とは正反対の不思議な優しい雰囲気である。調べてみると意外に新しく、大正時代に作詞(野口雨情)作曲(中山晋平)されて広く愛唱されたとのことであった。
歌詞の深い意味は分からないのだが、こういう感性は日本独特なのだろうか? 先ず思い浮かぶのが大好きなジョルジュムスタキの「私の孤独」である。
ハッピーのみの常に浮かれた感情で暮らすこと自体不可能なのだから、勝ち抜いて生きていく(そんな人はごく少数)のとは違う、微妙ながらも落ち着いてゆっくりした、居心地の良い気分を味わう楽しみは世界共通なのではないかと思う。