おいしい菜自然菜園

外に持ち出さず、菜園内での循環を目指しています

使えるパソコンを終わらせないものは(1)

MBM

 あまり知られていないが、ウインドウズパソコンにはOS(オペレーティングシステム)が幾つでも入れられる(4個以上の場合、拡張領域を利用する)。

 起動するときに選べば、同じハードウエアを好きなOSのパソコンに変身させられる。

 このときに大活躍するのがMBMというブートローダー(起動のためのごく短いソフト)だ。ChaNさんという日本の作者によるもので、その働きは非常に明解である。

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 そもそも、パソコンのハードディスク(最近はSSDも有る)にはMBRマスターブートレコード)という全体の先頭領域とPBR(パーティションブートレコード)という各仕切り(パーティション、別名ドライブ)の先頭領域が有る。

 電車に例えれば、先頭車両の運転室(MBR)と、後に続く各車両に車掌室(PBR)が有るようなものだ。

 ウインドウズOSをインストールすると自身の起動のためのプログラムで運転室(MBR)を独占する。でも、これは言ってみれば、皆で交代でハードディスクが使えるのに自分専用にしているのである。リナックスの場合は運転室(MBR)にするか車掌室(PBR)にするか選べる。車掌室(PBR)にすると後で運転手が必要になるが、後述のように、これがとても良い。

 各車両に有るOSをユーザーの希望に応じて起動するのがブートローダーで、何種類か存在する。リナックスの場合、今はGrub4Dosが多く使われている。

 話しは少しややこしくなるが、これらのブートローダーを統括してユーザーの希望に従って自由に選択できるようにするために、運転室(MBR)に置かれるのが冒頭に書いたMBMである。

 複数のOSをインストールし、PBRにブートローダーを配置した後(ウインドウズは先頭の車両と運転室を占拠するが、普通はそのままで気にしなくてよい)、最後に運転手としてMBMをインストールすると、運転室から各車両のOSをきちんと選んで起動できるようになる。(もちろん通常のブートローダーのみでも可能だが、優先順位を決めるような面倒くささがついてまわる。)

 こうすることで、ハロウィンでなくても一つのパソコンが複数のパソコンに変身できる。

 またウインドウズが既にインストールされているPCの場合、Cドライブを縮小して空いた領域に(リナックスの場合Ext3等のファイルシステムの)パーティション(Cの次のDドライブ)を作成してリナックス或いは別のウインドウズ(ウインドウズの場合はややこしくなる場合が有る)をインストールする。更に、OSを入れない共通のデータ領域(普通FAT32というファイルシステムを使用する)を設けておけば、データも共有できるのである。リナックスの場合、極小だがスワップ領域も用意する。

 上記のようにして軽いリナックスOS(新しくても無料)を追加インストールすれば、使い込んだちょっと昔のウィンドウズXP、Vistaのパソコン(サポート無しで危険なのでネットに繋げない)でも、待ち時間のストレスも無く安心してインターネットが使えるのだ。