豊かな自然
横浜では酉年の新年が穏やかに明けて陽の光がまぶしい。1月5日の朝、鶴見川の川面に浮かぶスズガモと思われる4羽の群れだ。
こちらは、はるばるシベリアから来て日本の冬を過ごすユリカモメ達だ。
この愛らしい鳥たちが見つめる自然の行く末が人間の活動によって脅かされることが無いことを祈っている。
コーヒー焙煎器
コーヒーを自家焙煎する人が増えているとのニュースが有った。
生豆を購入して自分で焙煎するコーヒーの味は格別だ。そのための器具はいろいろ有るが、普通の鍋やフライパンを使うと豆の平らな面が焦げてしまう。
そこで、ゴマ炒り器をコーヒー焙煎用に変身させたのが上の写真だ。熱を逃さないように網の部分に蓋を設けた。
使い込んでいるので見栄えは悪いが、ゴマ炒り器の中に仕込んだ波状の網でコーヒー豆がかき混ぜられるので仕上がりにはほぼ満足している。横のざるに焙煎した豆が見えている。炒りが浅いと味が薄く、相対的に苦味が強くなるようなので、少し深めに焙煎している。
熱がとれたら密封タイプの瀬戸物の容器などに入れて保存する。この記事を書いている今も芳醇な香りが漂ってくる気がして、熱いコーヒーが飲みたくなった。
キノコ
光といっても特に紫外線が苦手だ。
なべ料理がおいしい季節になり、栄養の面からも食卓に欠かせない。写真は4月に撮影したもので、ホダキングという菌種を植え込んだ「ほだ木」から出たシイタケの様子だ。
キノコの菌は光合成をしないので、養分となるのは木の成分のみなのに、おいしいキノコを作ることができるスーパーな生き物なのだ。
人間は間接的に木を食べていることになるのだが、キノコ無しには不可能である。
スーパーな生き物である一方、紫外線にあたると消滅してしまう。さらにはトリコデルマというカビの一種の天敵もいる。
面白いことは、ほだ木をハンマーで叩くと驚いてキノコが生えてくるのだ(嘘ではない)!
このようなデリケートな生き物から恩恵を受けているのはあり難いことだ。
コイル
上の写真のようにいろいろな外観が有り、小さな抵抗とそっくりなタイプもある。
おそらく一般の方には馴染みが少ないが、電力を貯めるためにスイッチング式の普通の電源アダプタには必ず使われている重要なパーツだ。
オーディオに目を向ければ、2ウエイスピーカシステムにも内蔵され高域カットに用いられている。
いろいろな電圧の直流電源を作る際にコイルの定数、即ちインダクタンスの値(誘導起電力のことで、単位はマイクロヘンリー、ミリヘンリー、ヘンリー等)を知る必要が生じるのだが、簡単には測れない。
そこで製作したのが下のインダクタンスメータだ。
右のつまみを回してメーターの針が振れたときのカラーコードの色(例えば赤は2などで数字を表している)とその時のレンジ(中央のつまみで設定)でかなり正確にコイルのインダクタンスが分かる。
針の振れかたでQ(先鋭度)も知ることができる。
写真は試しにコアの破片に巻いたコイルの性能を確認した様子で、手でぐるぐる巻いたコイルの値が40マイクロヘンリー位でQも高いのが分かった。こんなコイルでも性能が分かれば乾電池一個で複数のLEDを点灯させたりできる。
とても使い易いこのインダクタンスメータは松本悟氏の設計によるもので、誠文堂新光社のおとなの工作読本2004年No.7の16ページ(カラー)、116ページにつくり方が詳述されている。
内部の発振回路のためのロジックIC(論理集積回路)74HCU04が有れば、他には特別なパーツも不要で、回路は小さな基板上に作れる。費用も少なく電子工作をされる方にはおすすめの測定器だ。
甘藷
江戸の飢饉を救った植物学者の青木昆陽で有名なさつまいものことである。
いろいろなブランドの美味しいさつまいもが食品売場を賑わしている。実は芋を収穫した後の蔓(つる)を植えて温かいところに置いて置くだけで、春になればまた芽が出て、いわば永遠に生き続けられる植物なのである。
その強さには驚くばかりであるが、冬の寒さを乗り越えることだけが唯一のハードルだ。(青木昆陽にとっての最初のハードルは毒が有るという根も葉もない噂だった。)
享保の飢饉など江戸時代の大凶作の際に何百万人という人々の命が救われたのはさつまいも自身の強さと、寒さを乗り越える方法を見つけ出した青木昆陽のおかげだ。
それに倣って、芋づるの3年越しの越冬の準備に取りかかった。
屋根型集水装置
畑で手を洗う際などに利用する水を貯める装置を、できるだけ手間をかけずに製作した。災害時等に利用することも念頭に有って、足の部分は高さの違うペットボトルを立てただけだ。うまくすれば一、二時間程で組み立てられる。
スジの入ったスレート板は住宅の外壁板で、斜めに配置している。下流側のオレンジ色の雨樋に集まった水をストロー(曲げられるタイプ)で花のキャップのついた2リットルのペットボトルに集める構造だ。スレート板表面の溝の交差部に45度斜めのガイドを追加して途中から水が流れる幅を10cm程狭めるようにした。
新たに購入したのは排水口用の金属の網カバーと潅水用ボトルキャップ(いずれも100円ショップ)のみだ。雨樋はレーザープリンタのトナーカートリッジの不要になった保護カバーで、中央の部分で取り付け用の木材に木ネジ一本で止めてある。木材は両端でクランプを使ってスレート板に取り付けてある。
使ってみると、大雨のときはボトルが直ぐに満杯になる。一方、弱い雨だといっこうに水がたまらない。実験してよく見てみると、スレート板の下端で表面張力によって水が後ろに廻って雨樋に入らないことが分かった。雨樋に落ちるように長さ30cm程のアルミのL型部材を追加した。
2本以上のボトルに貯まるようにしたいが、使い勝手を考慮するとあまり良い考えが思いつかない。
原子炉格納容器
30年以上前に入手した米国の技術雑誌が出てきた。今朝のM7.4の地震の後、ニュースで福島第1原発、女川原発等の点検の状況が報道されていたが、日本のような地震国で安全が保たれるとは到底信じられない。
その訳は
この雑誌の中で「ひび割れが突破口になるとき」と題する記事が有り、金属疲労についての最新(1980年代の)の情報が記述されている。
原発の報道では冷温停止(華氏200度以下)しているとの表現を耳にするが、上の記事では格納容器が緊急冷却装置により華氏200度(摂氏95度付近)以下に急冷されると、金属内のひび割れが急拡大することが指摘されている。(25ページ)急に冷やすことにより格納容器が高圧に耐えられなくなるのだ。
より詳しく書くと、上記の記事では、それ以下の温度で材料が非常に脆くなる「基準温度」(reference temperature)というものが存在し、原発が稼動中に核燃料からの中性子線に曝されている格納容器の金属は「基準温度」が華氏200度以上にもなる(注:華氏200度以下にするとひび割れが急拡大することを意味する)と記述されている。
すなわち「冷温停止」の状態は「基準温度」以下であり、仮に非常時に急激に冷温停止の温度までもってゆくと爆発するおそれが一気に高まるのだ。
チェルノブイリ原発事故の場合も制御棒を一気に操作した結果、ポジティブスクラムという状態になったのが事故の原因だといわれている。
日本は上記の記事が書かれるずっと前に設置された40年以上経過の原発を稼動させようとしている。