おいしい菜自然菜園

外に持ち出さず、菜園内での循環を目指しています

変わらないものは

自然の営み

 新年おめでとうございます

f:id:Naimonowa:20190101092058j:plain

 元旦の朝日を浴びて元気にしている鳴門キントキ(さつまいも)の様子です。

 平成も31年で次の時代になりますが、声高に変わらなければならない!と叫ぶ人には気をつけましょう。

 人類を含め、動植物は何百万年という歳月を経て生きつづけてきました。

 鳴門キントキ(下の方の隅にはべにはるかも居ます)は昨年も活躍してくれましたが、その本人(本蔓)は写真のようにしっかりと日の光を浴びています。

 本筋をずっと守っている生き物に支えられていることを実感する新年です。

無いものは作ろう

温度コントローラ

 今年は畑仕事の他に取り組んでいたものとしてはPICマイコンのプログラミング(初心者からなかなか抜けられない)に思いのほか時間がかかってしまった。

 そこで12月は本ブログの出発点である無いものはつくることを念頭に、1年の締めくくりとして手持ちのパーツで何か役に立つものを作ろうと思った。

f:id:Naimonowa:20181227212442j:plain

 そんなことで完成したのが2x4cm程の基板上に組み上げた温度センサを使った制御基板だ。冬至を過ぎて感じるのは、夏の猛暑から寒波の襲来まで身の回りの温度変化は日常生活への影響が極めて大きい。

 そう考えると、上の写真の基板の出番は結構有ると思う。

f:id:Naimonowa:20181227213344j:plain

 回路図は上の通りだが、細かな点を述べるとリレーを使うと電力消費が大になる。できれば避けようと思ったが、制御される側の自由度を考えて小型のリレーを使うことにした。

 これが原因で、思いのほか回路の修正に手間取ってしまった。OPアンプを比較器として使用しているのだが、温度センサS−8100Bと基準電圧(12kΩ、10kΩ半固定抵抗、4.7kオームの直列回路)の電源の電圧がリレーのオンオフで変動してしまう。このことは予想していたものの、配線を終わってテストしてみると、案の定リレーオンとオフの間でチャタリング(行きつ戻りつしてしまうこと)が生じて動作が不安定になることが判明した。

 それに対する対策は迷った末、ツェナーダイオードでセンサと基準電圧源の電源を安定化させることにし、結果はほぼ満足のゆくものとなった。

 尚、ツェナーダイオードは4.7Vのものだが、電流を2mA流したときの電圧は4V強となる。これはルネサスNECのデータシートのグラフで確認してある。

 リレーの出力(電流制限が有るので注意が必要)の使用方法は自由に選べるが、今考えているのはペルチエ素子を使った保冷装置の過冷却(0度以下)を防ぐために使用することを考えている。

 また、例えばヨーグルト等の発酵装置に使う場合は設定温度が40度C程度(基準電圧は1.416V付近)になるように半固定抵抗器を調整すれば良い。またOPアンプの入力2、3を逆にすれば設定温度以上になったときにスイッチオンとなりファンを回転させるような使い方ができる。

 上の配線図の回路は参考にして頂いて構わないが、配線図は簡単のため、LED表示ランプやDC電源ラインのヒューズ等の部分は省略している。もし実際に組み立ててみようと思われる場合は過電流が流れることが無いようにくれぐれも注意して欲しい。

 またDC−DCコンバータのBP5293はコンデンサ内蔵で使い易いのだが、負荷が軽いときには動作が省電力モードになるとのことで、考慮が必要かも知れない。

12/30追記

 BP5293は樹脂で覆われた形状だが、スイッチング動作に伴う電磁波ノイズの対策(基板をシールドケースに収めることなど)が必要なことに気がついた。

 このため、今回は通常の三端子レギュレータ7805を使用することにして修正を行った。

f:id:Naimonowa:20181230174518j:plain

 リレーの動作時にも流れる電流は50mA以下であるため7805の放熱の対策はしていない。

f:id:Naimonowa:20181230174815j:plain

 回路は上のようになった。尚、入出力の電圧差をなるべく少なくするために駆動電圧は10VDCとしたが、15Vのままの場合、三端子レギュレータの電圧差は10Vで、電流が50mA流れる場合に熱となる電力は0.5Wとなるため、小型の放熱板を用いるなどの対策が必要になると思われる。

 

1/12/2019追記

 上の回路図でトランジスタのベースの抵抗は3.9Kオームとなっているが、増幅度が200位はあるGRランクのトランジスタの場合10kオーム程度で充分なことに気がついた。

 計算式は大雑把に言って 3(ボルト(オペアンプ On 時の出力電圧ーエミッタ電圧))÷ 10(キロオーム)× 200(倍)= 60(mA)で、30mAのリレーのコイルを駆動するのに充分であることが分かる。

 

2020年12月5日追記:

 このコントローラを使っていたペルチエ冷蔵装置の駆動回路を確認する機会が有ったので、主要な点をメモすることにした。

 小型リレーの接点は新電元のHRD05003E(5V3A)の制御端子7に接続された68kオームBの半固定抵抗のプラス側(駆動回路出力(端子6インダクタ経由)に接続)に挿入された150kオームの抵抗をバイパスするために用いられていた。新電元の資料では端子7はプラス側と接地側の一方のみに抵抗VR1を接続するようになっており、端子7の変則的な使用方法になっていた。

 尚、駆動回路はDCコネクタに入力される15Vを1オームのセメント抵抗3個とSBD(D29ー06)による電圧降下で10Vとし、ヒューズを介してDC-DC

コンバータと上述の制御回路の入力としていた。

 また、DC-DCコンバータの出力端子6には電解コンデンサ(16V)が接続され、50μHのインダクタが追加されていたが、受け側は4.7μFのタンタルのみなので、ローパスフィルタを構成するために電解コンデンサを更に追加すべきと思われる。

知っていれば手を出さないものは

プロードライザを使ったパソコン

 寒さが厳しくなり、畑仕事も無理をせずに続けているがつい写真を撮るのを忘れがちだ。そこで、今回はパソコンいじりの話題としたい。

 3年ほど前に入手した中古パソコンダイナブックTX-65だが、電源投入後にエラーになる状態で、ずっと放置していた。

 そのとき調べて分かったのがCPUの裏側に取り付けられているプロードライザという部品が劣化し、ACアダプタを使うとパソコンが動作しないという報告が多く、この部品を通常の導電性高分子コンデンサ4個と交換する方法が有るとのことだった。

 パソコンのキーボードを外して部品を交換する作業をするのにためらい、時間が経ってしまった。

 今回、思いきって作業を開始した。

f:id:Naimonowa:20181216134606j:plain

 写真の中央左側の4本のビスで留められた金属部材の中央に取り付けられているのがプロードライザだ。

 先ずこれを外すのが一苦労だ(キーボードを取り外す前までも大変だが、すでに他のサイトで説明されているので、先を急ぐことにした)。

 思いきって、電動ドリルを使って4mmの刃先を慎重に押し付けた。思いのほか樹脂が弱く、一気に穴が開いた。

f:id:Naimonowa:20181217094141j:plain


 その穴にドライバーの先をあてて慎重に樹脂の部分を剥がした。樹脂は弁当箱のように上下の部分から成っていて、その間や下の位置に金属部品がラミネートされている。

 樹脂をかなり取ったところが右の写真だ。マザーボードには縦に4本のランド(ハンダ付けする部分)が有るはずだが、中央にも金属の部分が見える。予想外の結果に多少困惑したが、この金属もプロードライザの一部であることが判明した。

f:id:Naimonowa:20181216135955j:plain

 さらに破片の除去を進めると、中央の金属の手前側が少し上にめくれた。この部分から左右に切り開いてランド部分のハンダを半田ごてのコテ先で除去していこうと思う。

 今日は疲れたのでここまでにして、余裕のあるときに代替部品(私が用意したのは村田製作所のECASD90G337M008K00)4個の取り付けまでを行いたいと思う。

 それにしても、困った部品で、多くの人がACアダプタが使えない問題に直面していたらしい(古い話題で、おそらくもう過去の事例になっていると思う)。

 

 


 

あり難くないものは

畑の蟻

 紅葉の季節になり、蟻とキリギリスのお話がなんとなく頭に浮かぶ。

 ところが、畑の蟻は実際はわると手を組んでいることが多いのだ。例えば

f:id:Naimonowa:20181110091503j:plain

 畑の畝に植え付けたイチゴの苗をよくみると、葉の茎が出ている中心の部分(クラウンと呼ばれる)に細かな土がまぶされていて、洗い流しても直ぐに元通りになってしまう。

 これは、蟻の仕業で、その中にイチゴの樹液を吸うアブラムシが潜んでいるのを守っていて、蟻はアブラムシから甘い蜜を得ているのだ。

 時代劇に例えれば廻船問屋と手を組んで裏で悪行を行う悪代官といったところだ。

 イチゴに限らず、人参や、春になるとソラマメの茎も同様に蟻の通勤ラッシュのようになるが、これも同様の仕組みだ。

f:id:Naimonowa:20181110092141j:plain

 それにひきかえ、イソップ物語のキリギリス(本来はセミ)は害虫のように思われるかも知れないが、秋が深まれば居なくなり、蟻のようにしつこくない。(写真はキリギリスそのものではありません)

 尚、余談になるが、イソップ物語は早くから日本に紹介されており、外国の文化がご法度だった江戸時代に為永春水(俳風柳多留の著者)によって幕府の圧力を巧みにかわして出版されていたとのことである。

 その題名は「絵入り教訓近道」というのだそうで、蟻と蝉が不思議な状態で擬人化されているとか。一度実物を見てみたいものだと思う。尚、この情報は前にFMラジオの番組で小川洋子さんが紹介していたのを思い出した。

 

へそが無いものは

秋植えのじゃがいも

 台風24号で掛けていたマルチが外れてズタズタになってしまったが、それにも負けずに葉を広げて育っている。

f:id:Naimonowa:20181006140410j:plain

 じつはこのじゃがいも(アンデスレッド)はへそが無いのだ。といっても、昔あったテレビCMのカエルには無いへそではなく、下の写真のようにイモの表面の、親株からのへその緒(ストロン)が繋がっていた部分を予めとって植えた結果なのだ。

f:id:Naimonowa:20181006140127j:plain

 これは野菜作りの研究者である木嶋利男氏による雑誌やさい畑の記事に従ったもので、ストロンの部分が残っていると、その後の成長にマイナスになるのだそうだ。

 今年はそれに倣ってへそを取って芽出しをした後に、逆さ植え(じゃがいもの芽はストロンの反対側に多い)で苗を植え付けた。

 11月末ころには豊作になるのを期待している。

 それはそうと、気になっていたのが有名なミレーによるじゃがいも植えの絵で、右側に立っている女性の手を離れたいもが宙に舞っているように見える。

 現代では少なくとも菜園のような規模の畝では黒マルチ(光を遮ることにより、緑色部分ができて有害なソラニンが生成するのを防ぐため)をかけて丁寧に植え付けることで収量が格段に増えるらしい。

 

耐えられないものは

強い台風

 台風24号は急な速度で北東に去って行き、各地に甚大な被害を残したが、当地も例外でない。

f:id:Naimonowa:20181003122559j:plain

f:id:Naimonowa:20181002122226j:plain

 菜園の横のハウスのビニールが裂けてしまった。

 また、

f:id:Naimonowa:20181002122914j:plain

 台風が通過した後も安心できない。強い陽射しの下の強風も野菜には耐えられない。上の写真には縮れたヤーコンの葉や、遠くに痛んださつまいもの葉が写っている。

 こうなると、多くの葉は回復せず、茶色になって枯れてしまう。

 ハウスも壊れるような状況では「路地もの」の野菜作りは非常に難しい。

 追記:今回の台風では風で海水が吸い上げられて塩の害が出たとのことで、海岸からは数キロは離れている当地域でもかなりの被害を被ったらしい。

使うあてのないものは

2CR5リチウム電池

 ちょっと特殊な6Vのリチウム電池が何故か幾つかストックされていた。

 使い道を考えてみたところ、電圧の変換に以前に購入しておいたDC−DCコンバーターキットが使えることに気がついた。

 6Vを3Vに変換してラジオの単4電池2個の代わりに使うことにした。今年は各地で予想を超える災害が起き、突然の停電なども考えておかなければならない。いざというときに単4電池も買い置きが無くなっているかも知れない。

 この6V電池は単3より太く短い筒型のセルを二つ並べたような形状で、多分単4電池より長持ちすると思う。

 

f:id:Naimonowa:20180927151355j:plain

 上は電池ボックスが完成してFM放送を聴いているところの写真で、裏はちょっとピントがずれてしまったが、

f:id:Naimonowa:20180927151746j:plain

 幅3cm程の赤い基板を嵌め込んである。これがDC−DCコンバータで Aitendo というショップから¥199で購入したもので、基板と、基板に取り付けるICチップとチップコンデンサ2個、チップ抵抗2個からなるセットだが、組み立てても電圧がおかしい。使われているIC(AS1117ADJ)についてネットで調べてみるとチップ抵抗(100kΩ超)の値がどうも適当でない。多分、キット本来の部品とは異なるものが混じったようだ。

 このため、抵抗については手持ちの470Ωと660Ω(330Ω2個)に取り替え、無事に3Vの出力を得ることができた。

 あとはラジオと接続するコネクタに適当なものが見つからないのが問題だったが、接続と取り外しにあまり力が要らないヒロセ電機の小型のコネクタを使うことにした。リード線をコネクタの電極に取り付ける作業には専用の工具が必要かも知れないが、家に有ったエーモンの電工ペンチを使ってなんとか細かい作業をこなすことができた。

 近年は電子パーツが極小サイズになり、毎回ルーペとピンセットの世話になりながら必要なものを作っている。