スーパーで買った薯(いも)から菜園に植える蔓を用意しています。
2月に近くのスーパーで親指より一回り太いくらいのサツマイモを10本ほど束ねて売っているのを見つけ、あまりの細さに驚いたものの、鳴門キントキ里むすめというブランドに惹(ひ)かれて買ってしまいました。
食べるのには貧弱な細い薯を温水を利用した発芽装置に入れたところ、一週間ほどで芽が出てきました。(3月1日に保温を開始して17日には芽が3cm位に伸びました。)
上はその後、土を入れて根を出させた時点の写真(3月29日撮影)で、芽が出た頭の部分だけに挿し木用の土をあてがったところ(尻尾の部分を濡らしたくなかったのとスペースが限られていたためです)、直ぐに元気な白い根がとびたしてきました。
芽のところを拡大した写真です。
ここから先が今年初めて用意した装置による試みの説明ですが、電気配線に慣れていない方は絶対に真似をしないで下さい。扱う電圧は8V程度で、資格は不要ですが、電流が1A流れるため安易な配線は発火の虞(おそれ)があります。
サツマイモの苗作りで畑の片隅に落ち葉などを仕込んだ温床をこしらえることにヒントを得て、長さ30cm位の小さなプラスチックボックス(NCboxー7)にコーヒーと糠を混ぜて醗酵中のぼかしを入れて温度が上がるのを待ってみました。
ところが、規模が小さすぎて温度が期待するほどには上がらず、かすかに外気より高い程度にしかなりませんでした。
そこで、頭に浮かんだのがずっと前に買って使わずにいたアルミ箔フレキシブルヒーター(ALH−DC−A5−30、抵抗値は4オームで説明書には駆動の電圧が16Vまでの例が記載されています)を使うことでした。写真中央のビニール袋の中の迷路のようなパターンのシートです。
5Vの直流電圧をかけると表面温度が33度になるとの説明があり、保温にうってつけです。
このヒーターを30cm×18cmのプラ容器(NCbox−7)の底に敷いてその上にコーヒーと糠を主としたぼかしを広げました。
尚、電源(出力電圧8VのACアダプター)が誤動作してヒーターに過大な電圧がかかっても問題が生じないための回路も追加しました。電源用の3端子のICであるLM317を用いた定電流回路で、電源側と負荷であるヒーターのどちらに問題が生じても設定した電流を越えないためのものです。このICの出力端子とADJ端子の間に1.23オームのセメント抵抗(1.5オームの抵抗と5.6オームの抵抗を並列接続したものです)を接続して出力はADJ端子の側から取り出しています。
更に、ヒーターに加える電圧を5V強(5.4V)に設定するレギュレータユニット(aitendoの製品)を経由してヒーターに電力が供給されるようにしました。
これらの追加の回路には個々にアルミの放熱器を取り付け、更に金属製の容器(さんまの蒲焼の空き缶で水が漏れないため使い易いです)に熱が伝わるように取り付けて収納し、金属以外の部分から水分が入らないように密封しました。
尚、今回は電源の一部も加温に利用するため、水分を遮ることにかなり注力しましたが、温床の内部に入れるのをヒーターのみにすれば、配線が楽になります。
ヒーターとぼかし、電源回路を入れたプラケースをビニールで覆い、通電開始して数時間後に温度を計測したところ、ヒーターと電源回路を合わせておよそ8Wの電力が供給されているため、中の温度が25度を越えるまで上昇することが確認できました。
部屋の北側の窓辺において数日が経過した4月11日現在の鳴門キントキの種芋と蔓の写真です。相変わらず「頭隠して尻隠さず」の状態です。直射日光は当てていませんが、葉が展開して順調に育っています。
その後、伸びた蔓から不定根(肥大根)が伸び出しました。
写真(4月27日撮影で別な二本目の蔓です)の白い根が薯になる不定根ですが、そのままにしておくと乾燥して枯れてしまいます。そこでアルミフォイルやポリ袋を加工した袋を使って伸びた茎のまわりに土を当てがい、根を枯らさないようにしました。後から気がついた点はヨーグルトの蓋などの厚手のアルミフォイルが土の重さで変形しないことでした。
上に書いた方法で土に根が伸びた苗を薯から切り離し、蔓の長さに合わせて用意した紙容器で蔓の準備を続けることにしました。
一般的には既に根が伸びた薯蔓は避けて、定植後に根が出るのを待つか、濡れた新聞紙で蔓を包んで発根した蔓を植え付けます。今回は、特別な苗作りになりましたが、苗の数が少ないため、敢えて一旦土に植えた蔓を定植する方法を試してみようと思います。